豊橋市 トヨッキー

化粧スレート屋根の葺き替え時期・費用・見積チェックポイント

山本 武司

2025.04.16

コラム

化粧スレート屋根の葺き替え時期・費用・見積チェックポイント

山本 武司

2025.04.16

住宅の屋根の寿命は、使用されている屋根材によって異なりますが、一般的に築後30〜50年が一つの目安とされています。 ただし、その期間は屋根材の種類だけでなく、定期的なメンテナンスの実施状況や雨漏りの有無、周辺環境によって大きく左右されます。 ここでは、化粧スレート(※1)屋根の葺き替え時期の目安、費用、そして見積もりを確認する際の注意点について解説します。

※1. 化粧スレートとは、カラーベスト、コロニアル、フルベスト、パミール、ナチュールなどのことです。

目次

1. 化粧スレートの耐用年数

ここで取り上げる「化粧スレート」とは、カラーベストやコロニアル(旧クボタ、KMEW)、フルベスト(旧松下電工)、パミール(ニチハ)、ナチュール(大建工業)といった、厚さ5〜6mm程度のセメント成型板に塗装を施した薄い板状の屋根材を指します。 化粧スレートの一般的な耐用年数は約30年と言われています。ここでいう「寿命」とは、塗装などのメンテナンスでは対応が難しくなり、葺き替え(屋根材の交換)を検討する時期を迎えた状態のことです。

 

無石綿化が始まった初期に発売されたパミール(ニチハ)やナチュール(大建工業)、コロニアルNEO、レサス(KMEW)などは、10年を経たないうちにひび割れや基材の剥離が発生し、葺き替えを余儀なくされるという社会問題が過去にありました。 これは、無石綿化によって屋根材自体の強度が従来品に比べて低下したことが原因と考えられています。

 

2. 化粧スレートのメンテナンス方法

化粧スレートは、その寿命を迎えるまでに2〜3回程度の屋根塗装などのメンテナンスを行うのが一般的です。屋根塗装の耐候年数は一般的に5〜8年程度とされており、外壁塗装と比較すると短いため、こまめな塗り替えを行わないと色褪せが目立ち、美観を損なう可能性があります。

 

屋根塗装は、化粧スレートの寿命を延ばす効果も期待できます。 なぜなら、屋根塗装を行う際には、屋根材に悪影響を与えるコケやカビなどの付着物を丁寧に洗浄し、塗料によって塗膜を形成することで防水性を向上させるからです。 30年間メンテナンスを怠った化粧スレートには、コケやカビが屋根材の内部にまで根を張り、基材であるセメントにダメージを与えてしまいます。 また、塗膜の劣化によって防水性が低下すると、屋根材自体が水分を含んだり乾燥したりを繰り返すことで、反りなどの変形やひび割れが生じやす

くなります。

 

3. 化粧スレートの葺き替え時期

化粧スレートの葺き替えを行うのに適した時期は、一般的に耐用年数である30年を経過した頃と言えるでしょう。 雨漏りが発生したり、強風によって屋根材が飛散するリスクが高まる前に、葺き替えなどのメンテナンスを検討することをおすすめします。

 

化粧スレートの場合、葺き替えだけでなく、既存の屋根材を撤去せずにその上から新しい屋根材を重ねて施工する「カバー工法」も選択肢の一つとして人気があります。カバー工法では、金属屋根材やシングル屋根材などの軽量な屋根材がよく用いられます。 特に、アスベストを含有する屋根材の場合、撤去と処分に高額な費用がかかるため、カバー工法に適した軽量な屋根材が数多く開発・販売されています。

 

4. 見積のチェックポイント

化粧スレートのメンテナンス方法としては、「屋根塗装」「葺き替え」「カバー工法」の3つが一般的です。 屋根塗装は、築後10〜15年程度経過した頃に行うのが理想的です。屋根材の劣化が進んでから塗装を行っても、塗料の持ちはあまり期待できません。 見積もりを確認する際の重要なポイントは以下の通りです。

 

① 塗料名、メーカー、使用する塗料の缶数、期待される耐候年数が明確に記載されているかを確認しましょう。 「シリコン」「フッ素」「無機」といった塗料のグレードのみが記載されている場合は注意が必要です。そのような業者は、値引きや予算に合わせて塗料を選んでいる可能性があります。 塗装は予算に応じて調整が可能なため、見積もりや契約書だけでなく、実際に現場に納品された塗料の缶も確認することが非常に重要です。

 

② 1回目の塗装には無機塗料などの高耐候性塗料を選び、2回目以降の塗装ではシリコン塗料やフッ素塗料などの中級グレードの塗料を選ぶようにしましょう。 屋根塗装は、初回(1回目)の塗装が非常に重要です。最初に採用する塗料のグレードが、2回目以降の塗装の寿命に影響を与えます。1回目に安価な低グレードの塗料で塗装してしまうと、2回目以降にフッ素などの高グレード塗料を選んでも、期待するほどの耐候性は得られません。 これは、劣化した塗膜の上にどんなに良い塗料を重ねても、塗料の持ちが悪くなってしまうという理屈に基づいています。

屋根塗装の一般的な寿命の目安は、シリコン塗料で約5年、フッ素塗料で約8年、無機塗料で約10年です。

 

近年、「トップコート」と呼ばれるクリア塗料を仕上げに塗装することで耐候年数が向上すると勧める業者も増えていますが、その効果は明確ではありません。 屋根塗装は、外壁塗装とは異なり、常に雨風や紫外線に晒されるという過酷な環境下にあり、屋根材自体が水分を含みやすいなど、塗料が剥がれやすい条件が揃っています。そのため、10年以上美観や防水性を維持することは難しいと考えられます。 屋根塗装に一般的に長期保証(外壁塗装のような10年保証など)が付かないのは、このような理由からです。
多くの場合、保証が付いても3〜5年程度です。

 

③ カバー工法で見積もりを取る際は、本体の屋根材だけでなく、下地材や防水シートなどの部材名が具体的に記載されているか、そしてそれらの部材がメーカー純正品であるかを必ず確認しましょう。 すぐに回答できない業者の場合、下請け業者に丸投げで仕様を把握していない可能性があります。 コストダウンのために、本体以外の部分で汎用部品を使用している業者もいるため注意が必要です。メーカー純正品を使用しない場合、メーカー保証が受けられない可能性があることも覚えておきましょう。 防水シート(ルーフィング)もメーカーの指定品を使用する必要がありますので、こちらも必ず確認してください。

 

④ 葺き替えの見積もりについても、カバー工法と同様に、使用する屋根材や下地材などの仕様を必ず確認しましょう。仕様が記載されていなかったり、メーカー名が明記されていない場合は、業者に確認が必要です。 営業担当者に確認してもすぐに回答が得られない場合、下請け業者に丸投げで管理体制が整っていない可能性があります。注意が必要です。

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