豊橋市 トヨッキー

窯業系外壁サイディングの「変色、反り」の原因の多くは「雨漏り・通気不良」

山本 武司

2025.04.12

コラム

窯業系外壁サイディングの「変色、反り」の原因の多くは「雨漏り・通気不良」

山本 武司

2025.04.12

窯業系外壁サイディングは、紫外線や経年劣化によって色褪せや変色が生じることがあります。
窯業系外壁サイディングは、セメントと繊維質を主材料とし、板状に成型された後、その表面に塗装・防水処理を施して製造されています。そのため、定期的な塗装などのメンテナンスをせずに放置すれば、塗膜が劣化し、そのような症状が現れるのは当然と言えます。
しかし、外壁の一部だけに「変色」や「反り」などの症状が見られる場合は要注意です。特にバルコニーの腰壁にその症状が現れたら、「笠木(手すり)からの雨漏り」や「通気不良による内部結露」を起こしている可能性が高いでしょう。

目次

1. 窯業系外壁サイディングのメリット・デメリット

 窯業系外壁サイディングは近年、一般住宅において最も普及している外壁材の一つです。 人気の理由としては、デザイン性、コスト、メンテナンスの容易性などが挙げられます。 窯業系外装材メーカーとしては、ニチハ、ケイミュー、旭トステムの3社が代表的であり、それぞれのメーカーがデザイン、色、厚さなど、豊富なバリエーションを取り揃えています。その選択肢の多さから、住宅の個性を表現するために選ばれる建材の一つと言えるでしょう。
一方で、種類が豊富なだけに短期間で廃番となる商品も多く、外壁の修理や一部張り替えなどの対応が難しい場合が多いというデメリットもあります。

2. 窯業系外壁サイディングが変色・反りを生じる原因

 

窯業系外壁サイディングの主成分はセメントであり、製品表面の防水・塗装が施されていない部分は吸水性が高くなっています。 つまり、施工後、外部に露出する表面部分以外(裏面、カット面)は水分を含みやすく、例えばサイディングのジョイント部分(目地)のシーリングが劣化すると、その小口(サイディングのカット面)から水分が浸入し、反りや変色、塗膜剥離などのトラブルが発生しやすくなります。
その他、「雨漏り」や「通気不良による壁内結露」などによってサイディング材の裏面から水分を吸水し、表面の塗膜剥離、変色、反りを生じているケースも少なくありません

3. なぜバルコニーの外壁は特に変色・反りを生じやすいのか

バルコニーの腰壁に変色や反りなどの症状が現れることは非常に多いです。 それは、バルコニー腰壁の構造上、施工に不備があるとすぐに雨漏りに繋がりやすいからです。

具体的には、下記のようなトラブルが多く発生しています。

 

① バルコニー腰壁の上端に取り付けられている「笠木」と呼ばれる部材の「ジョイント(継ぎ目)」、「コーナー(曲がり部)」、「手すり支柱の固定部分」のシーリング材が劣化し、雨水が浸入している。

 

② バルコニー腰壁下端の軒天との取り合い部分が、オーバーハング水切り等を取り付けるなど水が抜ける構造になっておらず、軒天に染みが生じたり、外壁サイディング裏面からの吸水、外壁下地木材の腐食に繋がっている。

 

③ バルコニー腰壁の内部が通気構造になっておらず(直張り)、湿気が抜けずに籠ることで「内部結露」が発生し、外壁サイディング裏面から水分を吸水し、反りや変色を生じさせたり、外壁下地木材の腐食に繋がっている。中でも、透湿防水シートを使用していない建物では結露の発生確率は高くなっています。

 

④ バルコニー腰壁の上端に取り付けられている「笠木」が外壁に接する「壁当たり」と呼ばれる部分は、非常に雨漏りが発生しやすい箇所であり、施工時の防水処理(鞍掛フェルト施工・防水テープなど)が正しく施されていないと、雨水が浸入し外壁サイディングの裏面から水分を吸水し、反りや変色を生じさせたり、外壁下地木材の腐食に繋がっている。

 

上記のようなトラブルは、施工管理や設計が適切に行われていないために生じることが多く、残念ながら発生件数はかなり多いと思われます。

4. 窯業系外壁サイディングのメンテナンス見積の注意点

窯業系外壁サイディングのメンテナンスとして最も一般的なものは「塗装」です。

外壁サイディングの状態が良好であれば、2〜3回繰り返し塗装することも可能です。2回目、3回目の塗装の寿命をより長くするためには、1回目の塗装をする際に、外壁材の状態に適した下塗り材を選定することが重要です。そして、耐候性の高い塗料を選ぶことで、長期間外壁サイディングを保護することができ、結果としてコストパフォーマンスが高くなります。初回の塗装を誤ると、2回目以降に耐候性の高い高品質な塗料を選択しても、その効果は半減してしまいますし、短期間で旧塗膜ごと剥離するなど、トラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。

 

外壁サイディングに不自然な変色や反りなど、異常が見られる場合は、「雨漏り」や「壁内結露」などを疑い、しっかりと調査をして原因を突き止め、対処することが重要です。 「塗れば綺麗になりますから大丈夫」といった都合の良い説明をする塗装業者は選ばないようにしましょう。

 

【見積書を確認する際の注意点】
* 初回の外壁塗装には、耐候性の高い高品質塗料を選ぶ。2回目以降の塗装の耐久性に影響を与えます。
* 塗装において「下塗り」は非常に重要。「下塗り材」の選定理由をしっかりと説明できる業者を選ぶ。
* 塗料は、販売実績(期間)がしっかりとある製品から選択する。新商品は注意が必要です。
* 外壁サイディングに不自然な変色や反りなど異常が見られる場合は、塗装の前に「雨漏り」や「壁内結露」などの調査を行い、原因を究明した後に対処してからメンテナンス方法を決定すること。
* 見積明細には、製品名(正式名称)、メーカー名、材質、厚みなど詳細な情報が記載されているか確認が必要。予算に応じて、メーカー指定の部材を使用せずにコストダウンをする業者が多いため注意が必要。

 

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