瓦屋根の経年劣化といえば!「漆喰(しっくい)」の役割と劣化について解説
2024.02.28
コラム
漆喰(しっくい)とは
漆喰の歴史は長い
漆喰とは、石灰石を焼いて水を加えた消石灰(水酸化カルシウム)を主材料とした建材です。
日本建築においては瓦屋根に使用される建材として知られています。
屋根の頂上にある棟部分に見える白い部分が漆喰です。
漆喰の歴史は長く、防火性や調湿性に優れていることから古くは城や神社仏閣に使用されていました。
瓦屋根の棟部分に使用される
瓦屋根に使用される建材と言っても、具体的にどの部分に使用されているのかイメージがつかない方もいるでしょう。
瓦屋根に限らず多くの屋根には「棟」という部分があります。
棟とは、屋根の頂上で屋根面同士が合わさっている部分です。
瓦屋根の棟は熨斗瓦(のしかわら)と棟瓦を積み上げることによってつくられており、漆喰はその棟部分に使用されています。
近年はより性能が向上した「南蛮漆喰」を漆喰の代わりに使用する瓦屋根も増えています。
通常の漆喰と南蛮漆喰の違いについては、以下の記事で詳しく解説しているためぜひご覧ください。
瓦屋根における漆喰の役割
瓦同士の隙間を埋める
瓦屋根の棟部分は熨斗瓦(のしかわら)と棟瓦を積み上げることでできています。
熨斗瓦と桟瓦の間に半月状の隙間ができるため、漆喰でその隙間を埋めています。
隙間を埋めることによって瓦の固定に寄与してはいるものの、あくまで副次的な効果です。
熨斗瓦と桟瓦は棟内部で葺き土によって固定されているため、漆喰の劣化がすなわち瓦のずれを招くというわけではありません。
防水性を向上させる
瓦同士の隙間を漆喰で埋めることによって、内部への雨水の侵入を防いでいます。
屋根材(瓦)の下にはルーフィングや下地があるため、漆喰が劣化し内部に雨水が侵入したからといって即刻雨漏りに繋がるわけではありません。
ただしルーフィングや下地が劣化していた場合は雨漏りに発展する可能性もあるため、長期に渡って放置することは禁物です。
屋根の外観を良くする
漆喰の最大の役割は美観です。
上述の通り昨今は瓦の固定やルーフィングによる防水の技術が向上しており、漆喰の主たる役割は瓦の固定や屋根の防水機能ではありません。
しかし美しく塗られた漆喰は、瓦屋根特有の風格を演出するうえで欠かせないものです。
漆喰を均一に塗る作業には高い技術を要するため、美しい棟および屋根を施工するには熟練の職人へ依頼することが推奨されます。
漆喰の経年劣化事例
変色、カビ・コケの発生
漆喰にカビやコケが発生することによって、黒っぽく変色してしまうことがあります。
カビやコケの発生は、漆喰の奥にある葺き土に雨水が侵入することで起こることが多いです。
一部にカビやコケが発生してしまうと、内部に根を張り漆喰表面についた雨水を内部に取り込み益々繁殖します。
放置すると見栄えが悪いだけでなく、内部の葺き土の劣化も進行させてしまいます。
ひび割れ、欠け
湿潤と乾燥を繰り返すことや、住宅の微振動によって漆喰にひび割れや欠けが発生し、内部の葺き土が露出してしまうことがあります。
そして葺き土が露出していると湿気を吸いやすくなるため、吸水と乾燥を繰り返すことで劣化を早めてしまいます。
軽度なひび割れや欠けであれば致命的なトラブルに直結する可能性は低いものの、ひび割れや欠けの発生した箇所から雨水が内部に侵入し経年劣化を進行させる恐れもあります。
剥がれ
漆喰の経年劣化の最終形態が剥がれです。
漆喰が完全に剥がれてしまうとひび割れや欠けが発生したとき以上に葺き土の劣化は早まり、例えば葺き土の形状変化が起これば棟の歪みにも繋がります。
棟の歪みはさらに雨水を内部に呼びこむことになり、劣化の悪循環です。
より内部に侵入した雨水はルーフィングの劣化や下地の腐食、雨漏りを引き起こす可能性もあります。
屋根にとって土台へのダメージは最も致命的です。
雨漏りに至ってしまった場合はもはや漆喰の修繕だけでは解決せず、高確率で棟の取り直しが必要となります。
数か所剥がれが発生した程度であればすぐに雨漏りが発生してしまうというわけではないものの、状態の悪化を防ぐためにも早期修繕をおすすめします。
美しい漆喰を維持するために
定期的なメンテナンス
美しい漆喰を維持するために最も大切なことは、定期的なメンテナンスです。
漆喰は施工から10年程度で劣化が始まると言われています。
10~20年に1回はメンテナンスを行うことが望ましいです。
漆喰の修繕
漆喰の修繕は、塗り直しで完結することが多いです。
劣化した漆喰を除去し、新たな漆喰を塗り直します。
ただし漆喰だけでなく内部まで劣化が進行していた場合は(棟自体が歪んでしまった場合など)棟の取り直しと言って、棟を作り直す工事を行います。
山本瓦工業では、漆喰の補修は3,300円(税込)/m~承っています。
漆喰の修繕方法や費用については、以下の記事で紹介しています。
まとめ
瓦屋根は非常に耐久性の高い屋根ですが、基本的には漆喰の経年劣化速度に合わせてメンテナンスを行うことをおすすめします。
10~20年に1回程度はメンテナンスを行いましょう。
愛知県豊橋市で瓦屋根のメンテナンスや漆喰の修繕を検討されている方は、ぜひ山本瓦工業までご相談ください。
現地調査および見積作成は無料で承っています。
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